高齢社会にみる地方分権への期待
厚生労働省より平成17年高齢社会白書が公表されました。高齢社会に関する様々な統計データをあらためて眺めると、高齢社会を支える対策はますます重要だと感じさせられます。国連の定義によれば、65歳以上の高齢者人口比率、いわゆる高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」と呼んでいます。日本は既に1994年に高齢社会へ突入し、2005年の全国平均値は19.9%にまで達しています。世界の高齢化率をみると、アメリカ(12.3%)、イギリス(16.0%)、フランス(16.6%)、ドイツ(18.8%)、イタリア(20.0%)となっており、日本は世界と比較しても高い高齢化率です。日本とイタリアは更に30年後の2035年には30%を超える予測がされています。
このように年々高齢率が高まる中、高齢者やそれを支える家族のライフスタイル、意識、そして生活する家、街の環境も年々変化してきています。趣味を多く持つアクティブシニア層も増加し、設備の整った施設介護から在宅介護へ、更に気の合う仲間同士で住むコーポラティブスタイルなど様々です。そして今、2000年にスタートした介護保険制度が見直され、来年4月に改正制度が施行されようとしています。これまでの画一的な介護保険制度では対応しきれなかった個々のニーズや、地域特性に合わせた柔軟な小回りのきく制度へ改正し、財政面においても持続可能な体制へ見直しが図られています。
こうした背景において行政は、新しい制度を活用しながら、それぞれの地域にあった質の高い福祉政策が求められています。本稿は、介護保険制度の改正から伺える地方分権の流れと、これから向かえる超高齢社会を行政と共に支える地域コミュニティの重要性について考察したいと思います。
