自立と共生に支えられたグループリビング

『COCO宮内』の事例紹介

 現在の日本の人口構造は大きな転換点を迎えています。戦後のベビーブーム時代に生まれたいわゆる団塊の世代と呼ばれる方々が、今から約10年後の平成27年には一挙に65歳を迎え、高齢者の仲間入りをする時期が迫っています。その時点での65歳以上の高齢者人口は、約3, 200万人となり、日本国民の4人に1人が高齢者になると推測されています(国立社会保障・人口問題研究所の平成14年1月推計より)。

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 これまでの日本社会の住宅事情を見ると、進学等の理由から独立した子供達はワンルーム住宅に住み、結婚し子供がいる30~40代の子育て世代は1・2LDK程度の賃貸住宅に住み、やがてマンションや一戸建てを購入するといった形態が一般的と考えられてきました。しかし、子供が独立した親世帯は、引き続き一戸建てなどに住み続ける傾向にあることで、住宅の大きさと世帯種類のミスマッチが引き起こしています。また加齢に伴う体の不自由が、階段の上り降りや、これまで気にもかからなかったような室内の小さな段差等が日常生活に支障を来たす要因となっています。結婚・出産・子育て・老後などのライフイベントに合わせて居住形態を変化させていくことが、今までの社会では比較的容易ではなく、日本の住宅政策において見直すべき課題の一つだと言えます。これからは優良な住宅ストックを一番必要としている世帯にどのように供給するかがポイントだと言えます。
 
現在、様々な種類の高齢者向け住宅及び施設が供給されています。厚生労働省の社会福祉法や老人福祉法に基づく施設であったり、国土交通省の制度を活用した住宅であったりと様々で、それぞれ入居資格や利用料等がことなります。

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 また、選択する側の高齢者も、一口に65歳以上と言っても一概にすべてが「高齢者」として一括りできるものではなく、「高齢者=社会弱者・経済弱者」と捉えることももはや間違った見解であるのかもしれません。介護の必要性などの身体状況や収入・財産などの経済状況は異なりますし、年代層も65歳以上から100歳程度と大きな幅があります。個人個人の趣味や、職場や社会の中で培ってきた知識や経験もまた様々なことが大きな理由であるからです。
 
更に、一般的に今までは、高齢の両親を子世代が同居して老後の面倒を見る形態が主流でしたが、現代では子世代の世話にはならないと考えている親世帯が多くなってきています。そうした新しい考えを持った高齢者世帯が老後も幸福に生き生きと、そして安全に暮らしていくためには、それぞれのライフスタイルに合った様々居住形態の選択肢を提供していく必要があると考えます。

 そこで本稿は、様々な高齢者住宅・施設がある中で、いわゆる施設系と呼ばれるケア付きのものではなく、比較的元気な高齢者が、一人・夫婦暮らしで抱える身体機能低下による不安を補うため、お互いがが共同生活により掃除や食事等を共にし、助け合いながら生活する、自由度の高い居住スタイルのひとつ「グループリビング」について、事例をもとにご紹介したいと思います。

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