高齢化社会を見据えたコミュニティ施設のあり方の一考察
S区の実態調査から
人口動態を用いながら、将来への危機感を提示する論調がいたるところでみられるようになりました。急速な高齢化から、国民の3人に1人が高齢者という時代がやってこようとしています。逆に15歳未満の人口は10人に1人と予想されています。
こうした状況を背景に高齢者のケアのあり方も変化し、施設での画一的な介護からグループホーム・在宅介護等が重視され、その後地域で支えるしくみづくりへと移ってきています。一方、平均寿命が80歳を超えている日本ではその高齢者を単に守る対象としてではなく、それまでの経験や能力を生かして積極的な社会参加を支えていくことも必要となっているのではないでしょうか。
本稿では2003年に行った「地域コミュニティ施設の利用状況、および余暇・趣味・学習活動の実態に関する調査」*注によるデータをもとに、S区のコミュニティ施設の実態をみながら、今後の高齢化時代を見据えた地域介護の視点、高齢者の活動の場づくりという視点からコミュニティ施設の現状を整理し、今後の施設の役割・展開を考察してみたいと思います。
*注:筆者と武蔵工業大学工学部情報処理センター講師 山口勝巳氏との共同研究。S区在住の中学生以上の男女を対象とし、2100通配布。回収状況は259人(12.3%)。
