地域資産を活用した街の再生に向けて

米国メインストリートプログラムの紹介等

六本木、汐留、品川、丸の内、高層ビルが織り成す新しいランドスケープが生まれる中、テレビや雑誌ではその開発エリアの裏にひっそりと残る下町風景が対照的に紹介されることが多い。近代化による利便性向上を望む一方で、人はどこかでバランスをとるように落ち着くレトロな空間も同時に求めているように感じられる。
“今後に残したい街の風景”や“私の好きな町並み”などのアンケート結果を見ると、必ずと言って良いほど上位にエントリーされてくるのが下町の街並みである。何か懐かしさを感じさせる木造長屋や、大正・昭和初期の看板建築、散歩していると何かを発見できそうな路地空間。心落ち着く空間である。
しかし、この下町を都市計画という視点から表現するとどうなるだろうか。老朽化した木造建物が密集し、幅員4m以下の狭隘な道路が多く、もし火災が起きれば十分な消防活動が困難であるため非常に危険な地域と言うレッテルを貼られることが多く、その改善策を求められることとなる。

密集住宅市街地という環境の改善を図る上で、街の防災性、安全性の確保を柱とする事業では、狭隘道路の拡幅、拡幅に伴う移転、老朽家屋の建替え等が基本的な整備課題となってくる。しかし、それは地域特有の伝統的な建築様式やストリートパターン等を排除し、耐火耐震性能があり経済的な建物の選択を促す結果となり、ビル郡のみならず下町までもが同じ顔の街並となることが懸念される。

ここで、街の歩んだ歴史的空間を保持しながら街の再生を図る手法として知られる米国のナショナルメインストリートセンターが開発したメインストリートプログラムについて取り上げてみたい。このプログラムは中心市街地の商業地域活性化を基本としているため、住宅を主とする密集住宅市街地においては、この再生へのアプローチ方法を参考にしたいと考えている。

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