密集市街地の再編へ 「まちつくりインターミディアリー」の必要性一考察
住民やNPO等による都市計画の提案制度や密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正に伴って、特定非営利活動法人(NPO)参加が制度化されました。
この背景には、地方分権、情報公開といった基本制度の改革と併せた、まちづくりにおける市民参加や市民主体といった動きが進む中での住民提案制度の導入であり、また近年の経済状況に見られる深刻な中心市街地における活力の低下や空洞化など、都市再生を重要施策とした経済的な意味を含んだものであると思われます。
しかしまちつくりの現場では従来、市街地再開発事業などで行ってきた駅前型再開発などに多くの民間事業者が参画意欲を持っていた反面、木造密集市街地などの事業採算に乗りにくいまちづくり事業に対しては、現在のところ様々な背景から、よほどの助成制度が加わっても民間サイドでは手を出しずらい幾つかの側面を示しているように思われます。
また一連の動きは住環境政策に対し、行政主導型から住民主導型への強い期待がかけられていることは容易に推察されるように思われますが、そこには公共性のみで論じるだけでは解決できない個人の責任とする住宅の再建やそれに伴う権利調整、或いは孤独死などに見られる地域コミュニティ崩壊から再生への期待があるからと思うのであります。
密集市街地整備を取り巻く環境については別号で詳しく述べておりますので割愛させて頂きますが、日本の都市が次世代に対し、精神的な豊さで暖かみあふれる住環境を残すには、早急に解決しなければならない都市の問題が山積しております。
その最も顕著な課題として、都市の広範に亘り存在している密集市街地の問題を誰が主体となって、どのように解決していくかを早急に議論し、国、地方自治体などの社会的な支援体制を整備し臨む覚悟が必要であると考えられます。
しかしながら実際の現場を見てみますと、結局最後にはその運用を誰がどのようにするのか、或いは地域の不経済として顕在化する市街地を、どのような立場で行政側が対応し支援していくのか、住民の立場で考えた場合の自己責任の範囲と自らが積極的に活動し、まちづくりに参加する意義を見出していくかが十分に吟味されずにいるために生じる戸惑いがあちらこちらにあると感じています。
こういった市民主導となるようなまちづくりにおける様々な困難な課題を解決するためには、まちづくり活動全体から見た総合的な支援体制の仕組みづくりを進め、それぞれの立場が持つ特性を生かした役割のもとで、互いに連携をしながら協調し合い作り上げていく必要があると考えております。
本稿では、この市民主導と呼ばれるまちづくりを進める上で、市民参加型まちづくりの必要性と今後活躍が期待できるであろう「まちつくりNPO」に対する役割と市民の目になって行動し判断するインターミディアリという新しい概念のもとに展開される支援協働体制についての有効性を今回より探っていきたいと考えます。
