新たな地域コミュニティにおけるシビルスタンダード

1970年代に始まった高度成長期は、まさに都市にとって激動の時期でした。産業の移転に伴って都市郊外部に人口が流出し、山野が開発され、次々市街地が形成されていきました。人口のみならず、商業も工業も大規模で安価な土地を求めて郊外に進出していきました。

この急激な人口増とライフスタイルの変化により、郊外部では社会資本・社会保障・社会保健といった最低限の住環境水準設定運動(=シビルミニマム)が起こりました。しかし、生産力の増強を主眼に置いたこの時代を経て、安定成長期に突入し始めると、このような量的な充足を求めた取り組みは次第に終焉を向かえましたが、同時に発生している経済的激動や価値意識の定着を巡る混乱は、概念整理がないまま政策誘導の手段を失わせているように思われます。

21世紀を迎えて、デマンドサイド経済の特徴の示すままに人々は再び都会に向かおうとしています。新規のコミュニティが次々と形成され、既存のコミュニティは更新の時期に突入しています。時代と共に移り変わるライフスタイルを背景に、住民同士の関係が次第に希薄となり、本来コミュニティが持っていた助け合いの精神が忘れ去られ、交流によって生まれでるまちの活力が失われつつあります。地域コミュニティが核となるべき新時代の地域社会において、地域の特性にあった個性的で新たな秩序づくり(=シビルスタンダード)の構築が必要な時代となりました。本論では、新時代の新しいコミュニティづくりの必要性を考えると共に、こうした新しい試みであるシビルスタンダードの考え方について考察してみたいと思います。

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