米国における「まちつくり」への挑戦

貧困に対する戦争

はじめに
アメリカ合衆国における、ここ40年のコミュニティ開発の歴史を振り返ってみますと、大きなトピックが3つあることに気が付きます。

1つ目は、公民権運動とも関係するといわれていますが、'64年のジョンソン大統領の「貧困に対する戦争」宣言から生まれたCommunity Development Corporation(CDC)です。CDCは貧富格差の大きな合衆国における都市内の衰退しつつある地域など低所得者が多い特定の地域を対象に、地域コミュニティの再生及び地域経済の活性化を目的として住宅供給、商工業開発、雇用開発などさまざまな事業を住民参加により進めるNPO活動の出発点です。

2つ目は、Local Initiatives Support Corporation(LISC)及び、'78年の修正、住宅及びコミュニティ開発法により設立されたNeighborhood Reinvestment Corporation(NRC)です。NRCは公社、LISCはNPOと形態は異なりますがCDCを資金的、技術的に支援するインターミディアリーである点において共通しています。

なお'74年、フォード大統領をして戦後「最長にして最悪」と言わしめた住宅不況に対応するため成立した「住宅及びコミュニティ開発法」により誕生したコミュニティ開発包括補助金(CDBG)は、後のレーガン政権時の'81年にCDBGを供与する対象を、民間営利企業にまで広げるなど長所はあったものの、予算自体は削減対象となり減額されました。

3つ目は、コミュニティ開発支援金融機関連合(CDFI)及び改正コミュニティ再投資法1995によって、主要な金融機関も直接CDFIに投資することが可能となった規定です。 '81年において補助金を減額されたことで、対応としてはさらに広がった CDFIに対し、低所得地域への投資を通じた経済の再活性化と地域コミュニティ開発を目的とした地域コミュニティ開発金融機関法が'94年に制定され、連邦の資金が直接にCDFIに供与されるようになりました。CDFIの連邦資金は主要な金融機関の資金と他の民間資金と共にNRC、LISCに流れ、CDC には資金、技術援助という形となってCDCの活動を特に活発化したということです。

次に、2つ目のNRC及びLISCと3つ目のCDFIをご紹介いたします。

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