タイのまちづくり事情

 タイは基本的には豊かな国だと思います。ラーマ9世プーミポン国王を中心に民政は安定しています。また、気象・地勢・地理条件が非常に恵まれています。人柄も穏やかです。1997年の通貨危機により経済が崩壊しましたが、現在は立ち直り、低成長ではありますが経済は上向きです。

 高度成長を体験した庶民生活は消費社会の方向へと向かっているように見えます。かつての景気の勢いはないようですが、所得は着実に伸びています。そして、ディスカウントストアーやショッピングセンターが急進しています。

 まちづくりの課題は、以上のようなまちの変化にどのように対応するか、そして、人々の生活水準の多様性にどのように対応するかです。貧富の差はまだまだ大きく(全体的に底上げされてきているように見えますが)、貧困の解消と富の配分はまちづくりにおいて、切り離せない課題になっています。
 また、人々の生活が色々と変わって行く中で、計画的に行動することが苦手で他人のことには立ち入らないお国柄の人々が、利害関係や多様な意見の調整を必要とするまちづくりにどのように取り組んで行くかという問題があります。誰が街づくりをコーディネートするのか、が大きな課題になっています。

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 タイには建築家や都市計画家、ファイナンシャルプランナーなどの専門家はいるのですが、物事を総合的に組み立て、各方面に対しての合意形成を獲得してゆくという存在がいないように思います。豊かな国土と穏やかな国民性の中でそのような技術を必要としてこなかったのかもしれません。しかし、これからの街づくりはそうはいかないでしょう。集団化目標の設定や権利の再配分という、まさに再開発が培ってきた技術が必要とされていると感じました。

 この分野において、我が国の再開発コーディネーターは積極的に世界にアピールすべきです。計画づくりやものづくりを行う技術から、人の心を動かす技術が途上国のまちづくりに必要になっています。


 では、タイ国・バンコクに関する雑感から始めたいと思います。

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