再開発等まちづくり計画活動のパートタイム構築の視点
当社では、再開発事業等の「まちづくり集団事業」における計画活動のパートタイムデザインの標準化をワーキング・グループを設け検討してまいりました。
本稿はワーキンググループで行ったこれまでの討議録や検討資料、結果を元にとりまとめたものです。専門的分野や当社固有の表現もありますが、読者の皆様の参考になればと想い、検討結果の一部を掲載するものです。
1) 包括的コスト管理からタイム・リスクを基礎とする管理へ
再開発事業等の集団化事業の進め方に変化のきざしが現れています。
「事業リスクの大半を事業協力者や保留床取得者が背負っていた時代は終焉し、投資収益率が重視され、リスクの評価が厳しく問われる時代へ」、
「集団化かつ総合化事業であるが故のリスクを事業に関与する利害関係者(ステークホルダー)へ適切に配分し、好機の極大化と脅威の極小化を図り、総和として優れたコストパフォーマンスを実現する活動が求められる時代へ」と移行しつつあります。
市街地再開発事業など公益的な共同・集団化事業は集団化事業であるが故に事業期間が長期にわたります。長期間であるために計画与件の変化、投資回収期間の長期化・不安定さが避けられません。また様々な利害関係者(事業参画者)が参画する場合が多いため意思決定や事業執行の過程が複雑になるのが常であります。
この様な背景のもとでは包括的な事業コスト管理のみでは、事業参画者の投資効率性、リスク分担内容を適切に評価することはできません。投資額増減の要因を管理することばかりに着眼するのではなく、計画行程・内容の枠組みを具体的かつ詳細に構築し、必要な利害関係者のコストパフォーマンスに関する理解を深めることが必要な時代になっています。
まちづくり事業におけるコンサルタントの集団化かつ総合化活動の成果と生産性の関係やコストに対する貢献度の客観的評価もまた非常に困難な状況であります。
こうした現状に対し、事業コストをコントロールするとともに、事業の施行者を含むステークホルダーの「時間及び計画水準に連動したニーズやコスト、リスクと成果」を論理的・計画的に適正に配分し、計画的に管理し、また評価する手法を構築する必要があります。
このための成果管理手法を実現すべく、当社では計画作業の標準化・パートタイム化の構築にチャレンジしています。
2) 計画作業の標準化を進めることのもう一つの狙い
多様な要因と事業参画者の存在から発生する「まちづくり計画」上の課題には「部分として解決可能」あるいは「全体の中でのみ解決可能」なものがあります。これらを弁別するとともに、その解決策の立案をスパイラルな計画行程に従い構築することとなります。
この創造的・組織的計画行程を事業熟度、事業計画諸元精度や事業特性を勘案して総括的に評価することで、どのアクティビティがクリティカル・パスとなり、いつ頃がキー・ポジションの時期となるかが明確になります。その結果、タイム、コスト、品質の管理が可能となり、創造的・組織的活動のロスを最小限に留めることができるようになります。
計画作業の標準化パートタイム化による効果として以下の諸点が挙げられます。
各専門的分野間の相互関係の理解より、計画に多様性が生じる
出力の方向を標準化し、出力の方向が推察でき目標範囲が定めやすい
各検討分野の標準作業時間の理解により、総体時間の管理・判断がし易い
但し、留意点としまして出力の方向を標準化することであり、規格化することではありません。規格化は計画作業を硬直的にし、事態・事象の変化に柔軟に対処を困難にし、創造や新たな深化への世界を見失いがちとなります。
