既成市街地における土地区画整理事業の平均像
土地区画整理事業は、長い制度的歴史と各事業がもつそれぞれの背景のもとで、公共施設の整備や市街地の造成等に活用されてきました。その一部は、時代の要請に応えて既成市街地の再編や中心市街地の活性化のために進められています。しかし、それらは、既成市街地特有の問題と土地区画整理事業の手法上の特性との関係で計画・推進が難航している事業は少なくないようです。本稿では、既存の土地区画整理事業のデータ(H12年版「区画整理年報」:財団法人区画整理促進機構刊)を利用し、様々な土地区画整理事業における既成市街地事業の平均像からその特徴となる傾向を探ってみることにします。
まずは、膨大な事業データからどんな基準で既成市街地の事業として抽出するかについて検討しました。既存のデータには既成市街地に直接に関わる項目は二つあります。一つは「DID地区」(人口集中地区)で、事業地区の人口密度を表しています。もう一つは、地区の宅地面積に占める建築物敷地面積の割合で表す「市街地化率」という項目です。既存のデータを様々な角度から検証した結果、以上の二つの項目をクロスして、DID地区で「市街地化率」が80%以上のものを既成市街地と見ることにしました。本稿のデータ考察で使う「既成市街地」という表現はすべてこの定義に基づきます。
なお、全事業のデータについては、H12年現在進行中の事業だけを対象に取り上げ、そのうち、重要な項目にデータ欠損があったものを除外して計1630件の事業に絞り込みました。それぞれの事業についてはその施行主体、つまり市町村・組合(個人を含む)・公団(公社を含む)の三つの区分に分けて集計しました。
