まちつくり・密集市街地再生のための 技術的課題と対策の方位
中心市街地活性化のための区画整理も再開発も一体的施行も事業化に難航しているのが現状ではないでしょうか。いずれも右肩あがりの経済体制状況の中で構築された事業システムであり、デフレ傾向の経済状況ではなななか適応しにくい側面が強くなってきていると考えます。経済方位の変化に見合う制度と技術革新が必要でありますとともに、知的傾向を強めてきています市民に対して建設や整備すべき環境への目標像に明確なコンセプトワークの策定が困難であること、市民の社会的貢献を果たすべき方位が不明確であり、市民の立ち上がりを引き出す十分な活動エネルギーが出し得ない状況であること等多くの悩みがあります。
さらに、今、われわれは、改めて新世紀の都市空間として期待する機能や環境が何か、そしてその基本的環境財産は誰のためにあるか、その権利・義務の履行はどこにあるのかなどについて地方分権、市民自治への移管期に際して問われているのではないかと考えます。
新しい世紀の都市という環境は「商業やビジネス交流、文化的交流、政治的、社会的さらには学問的交流などあらゆる各分野、各認識間の交流の場であり、それは市民の自己実現を速める知的交流促進の場」ではないでしょうか。これには「IT技術等に支えられた新産業立地を形成し、知的市民の思索活動や生活利便に相応しい職住・生活利便機能近接の居住生活区の高度集約・積層化のシティ・イン・シティの構築と、この環境形成に資する公共と市民の義務と権利に関する新たな明快な規定づくり。」が必要と考えます。
このことに関しましては、本HP「まちづくりの焦点」バックナンバーの「新しい世紀に「進化する適者生存のまちつくり」を見る」及び「「まちつくり基盤整備の方向つけ」区画整理と再開発の一体的施行制度の活用のために!」などを参考としてお読みいただければ幸いです。
ここでは都心再生に関する事項と密集市街地における区画整理事業と再開発事業の一体的施行を中心に停滞する技術的課題と対策の方位について一部については記述が重なりますが少し整理してみました。
わたしたちのように再開発事業等のまちつくり事業へ携わってきています者として、よくお聞きします「声」があります。それは再開発事業地区がかつて区画整理事業地区であった地区や再開発事業地区の皆さんが別地区で区画整理事業の経験をお持ちであった場合に「区画整理事業では騙された」という声です。区画整理事業の各段階でその状況変化や与件変動についての適切な説明と合意へのプロセスが必ずあったと思いますが、それでもなお結果として上記のような声が発せられることです。
これは、区画整理事業に関する現状の換地への評価システムでは不安定な評価となり、時間のズレに対して、換地計画の維持、再現性がこれまでは困難性の高い部分があったからだと思います。換地には不安定な評価に加えて、部分確定を含めて膨大な繰返し作業が発生し、かつ、既成市街地及びそのエッジ・エリアでは大きな時間的ずれは立地形成や経済ファクターにより市街地形成力が大きく変化することがあります。この関係で初動期の推定において説明した内容が、大きく変化することが多くなることになり、その時々での対応検討には先ほど申し上げました膨大な作業量があり、コストパフォーマンスとして検討姿勢が維持できないことでありましょう。
上述のようなことを踏まえて以下に「技術的課題と対策の方位」を都心再生と密集市街地環境整備に分け、箇条書き的で述べることにします。
