米国におけるまちづくりNPOの活動事例
米国における地域開発の意義
一般的に、米国における地域開発とは、単純に"結果"のみを追求するのではなく、その地域における低・中所得者層の生活の質を向上させるための長期的な"プロセス"そのものを意味します。例えば、地域経済を発展させる目的で、大規模な製造関連企業を誘致するとします。ここでの最大の目的は、経済を継続的に発達させる事(プロセス)であって、有力企業の誘致(結果)そのものではありません。つまり、誘致をする事によって、長期的に地域を発展させるプロセスが大切なのです。そしてこのプロセスは、コミュニティが社会的に持続できるよう、包括的な、バラエティに富んだ様々な活動を推進するものでなければなりません。例えば、地元のまちづくり計画、住民が購入する事のできる範囲の住宅の整備、商業・不動産開発、物質的な活性化(インフラ整備)、雇用機会の推進・職業訓練*1)、教育、指導者育成など多種多様です。
地域の発展のためには3つの基本姿勢を必要とします。
1. まず、地域開発を実際に運営する機関が必要です。同時にこの地域開発関連機関は、人的、経済的、組織的、環境的、かつ、財政的に、地域開発に密着して携わることができる力を必要とします。このことは、そこで働く各個人の能力、知識、必要な生産物やサービスを提供し、共有することができるビジネス的能力、そして、地域の住宅、インフラ、そして自然環境への配慮など、様々な教養をも必然的に含みます。
2. 地域発展はネットワークを基礎としています。現存する個人的ネットワーク、企業ネットワーク、そして、地域内で同じアイデンティティを共有し、相互に援助し合う地域住民間のネットワークが必要不可欠です。
3. 地域開発プロセスは、直接的に、もしくは間接的に開発団体への参加を通して、住民によって計画され、住民によってデザインされ、住民によって施行され、そして、住民によって評価されるからこそ、信頼性があるのです。
*1) 仕事を得るための基本的な能力を身につけるための訓練。高等学校を卒業していない住民の基本的職業適応能力は低く、失業率は高い
