おわりに
事業の成立性と成立要件の巾を比較的短時間で探索しながら、支配的なリード要因の動きによって成立性が変化する状況を観察し、地権者、事業参画者、保留地処分先との密接な協議を行いつつ成立要件の具体化を進めるよう、このシステムの実務的な活用上の工夫を継続しています。このシステムが地権者や利害関係者を前にして様々なシミュレーションを行い、それぞれ持っている不安な状況変化に対応しつつ集団的な合意を進めるという、そして事業の成立要素が地権者集団の討議のうちから発する積極的な発想から生まれることを願い、また困難な状況に遭遇する多くの事業に一刻も早い目途がつくことを願って、システムのバージョンアップに更なる工夫を凝らしています。
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土地区画整理と再開発の一体的施行制度が施行されましたが、今は両事業とも大変な試練に直面しています。一体的施行制度が、原事業の推進に役立つ分野が増加しないのかなど各地でさまざまな模索が続いています。膠着状態になった事業に新たな活路を見いだすために様々な努力が行われていますが、全く次元を変えて実施してきた事業を見直す勇気も大切なことだと思います。
激動した与件も少し固まり始めたと思えば、再び次の波に引き込まれて事業の成立性を見失い、現場の理解が漸く進んだと思えば再び変動があって、地権者は一体何を信頼して良いか解らず、混乱が更に次の混乱を呼ぶという事態の中に多くの事業があると思います。
事業のリズムは崩れてダイミックな動きがなかなか創り出せないでいるときは、「複数以上の心理的要件が前向きになる機会」を狙うことになります。その一つはこうすれば達成できるというアイデアとその実証です。
しかし、これが与件として与えられる僥倖だけを願って事業化を図るわけにはいきません。事業の成立要件を全くの最初に戻って、全体と部分から解析して、部分の中から全体を支配する重要な要件を模索しなければなりません。もし、「全体を好転させる可能性のある部分が発見できたら」という可能性は必ず見つかるものです。長い時間を費やして成立要件は全く変わってしまっている事業ですから、今までの成果を全く放棄して初心で取り組む必要があります。
私どもではARKS-RTDシステムを使って、事業の成立性と成立要件の巾を比較的短時間で探索しながら、支配的なリード要因の動きによって成立性が変化する状況を頭におき地権者、事業参画者、保留地処分先との密接な協議を行い成立要件の具体化を進めています。再生へのアクションプログラムのスタート期を判定したいと思っています。このシステムが地権者や利害関係者を前にして様々なシミュレーションを行い、それぞれの意向を受けて集団的合意を進めるという、そして事業の成立要素が地権者集団の討議のうちから発する積極的な発想から生まれることを願ってシステムの再構築に工夫を凝らしています。
これらの試みが必ずしも円滑に進むと考えていませんが、人間の集団が目的に向かって結束するプロセスに感動した多くのコーディネーターがあるように、そのような機会が少しでも増えることを願って創られたシステムでもあります。常にバージョンアップを心がけ、ある程度の練度のプランナーでも安心して活用可能なシステムに一刻も早くしたいと考えています。
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