まちづくりにおけるシミュレーション技術の展開

 一昨年のいわゆる「中心市街地活性化法」の施行や都市計画法の改正などに代表されるように我が国では、まちづくりに関わる法制度や諸制度に大きな変化が起こっています。それは、これまで通りの考え方や方法では有効に対処できない、まさに大きな時代の変化の現われと言えます。
 そうした変化を受け、さまざまな制度改革が行われた結果、報道では景気が回復しつつあるといわれています。しかし、「実感」として私たち市民一人ひとりが景気回復を感じているかというと必ずしもそうは言い切れません。

 なぜなのでしょうか?

 それは、きっと、総論ではわかっていても、具体的に各論になるとどうすべきなのかが見えてこないからではないでしょうか。
 よいまちづくりとは、よい計画があってこそです。まさにその「よい計画」をそれぞれの地域の特性にあわせ、どのように具体的に、かつ、住民をはじめとする関係者のコンセンサスを得ながら進めていくかがカギとなります。
 一方時代は、IT(情報技術)革命と言われるほど、インターネットをはじめとして、さまざまに分野でコンピュータ技術の開発がスピーディに進められています。まちづくりに関連する分野もその例にもれません。しかし、あまりにも数多くのソフトウェアが開発され、まさに玉石混交といった感さえします。
 まちづくりの夢を描き、それを具体的にどう計画し、どう進めていくか、そしてそのために本当に必要なソフトウェアとは何か。
 それは、現状を正しく認識・再現し、「もしも、こうだったらどうなる」というエスキスを迅速に描けるソフト、つまりシミュレーションソフトであるはずです。

 本稿では、まちづくりのなかでも、「まちづくりの計画を考える」その計画技法の中で「シミュレーション」という考え方を位置づけることが一つと、コンピュータの性能や応用技術(ソフト)の発達により、今後どのようなシミュレーションツールの活用が可能性をもってきているのか、いくつかの応用事例を紹介とともに考えてみたいと思います。

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