事業推進のエンジンとして

再開発と住民の役割
最後に、都心地域の再開発における住民の役割を考察して本稿を終わりたいと思います。

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時間の観点からみると、再開発は一つの事業をとってもおよそ10~20年かかっています。あらためて大変長い事業だと思います。そして、いろいろな事業があります。真に地元主体の共同事業や駅前広場や道路整備を主眼とする公共主体の事業、企業による企業のための共同事業などさまざまなモチベーション(動機)をもってスタートし、事業完了までの間にいろいろな課題にぶつかるわけです。


 このうち、多くの事業において「権利者合意形成」等に時間がかかっています。その内容をみてみますと、事業が動いている間の評価や補償の問題、再開発ビルにおける権利変換や保留床処分に関する具体的な課題に関する事項が特に目立つこととなりますが、このときトラブルの根っこを探っていきますと、そのほとんどは初動期における計画合意時点での決着のしかたに溯っていくように思います。事業の終盤にさしかかってもなお、再開発の動機が関係権利者間できちんと共有化されていなかったり、肝心の課題が先送りされていたりする場面にも遭遇しますが、この原因は初動期の活動内容にあることがほとんどです。

 私は、逆説的ではありますが、住民合意を最初からじっくり時間をかけることによって、むしろスピードアップが図れるのではないかと考えています。トラブルのない事業などありえませんので、事業の初動期において、トラブルを乗り越えていく覚悟を共有できる事業参画者間の関係(権利者間、権利者と行政間など)を築くことが大切だと思います。これがパートナーシップの本意であると思います。

もちろん、そうはいっても事業は住民だけではなかなかできるものではありませんので、公的機関等の強力な支援を得て、住民こそが事業推進のエンジンであるという位置づけで活動することが望ましい姿だと思います。


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