新時代の要請に応えるまちづくりソリューションツール

「ARKS21」のシステム概要>今、まちづくりに求められるツールとは


1.郊外から中心市街地へ

これまで中心市街地は様々な変貌を遂げてきました。戦後の焼け跡から高度経済成長期にかけての劇的な再編。70年代、80年代と経済の発展と共に都市基盤は着々と整備され、大きなショッピングセンターが立ち並び、商店街には人があふれました。しかし車社会を迎えた頃からまちの重心は郊外へと移り、時代の急激な変化に対応できない中心市街地はどんどん人の波に取り残され、次第に「空洞化」を招くに至ったのです。

 今、中心市街地は多くの問題を抱えています。狭小宅地や木賃住宅の林立による防災上、住環境上の問題。バブル期の土地狂騒がもたらした未利用宅地の点在。老朽化、時代に対する陳腐化により客離れが著しい商業施設や商店街。数十年前に整備されたため現代の交通量に耐えられず慢性的な渋滞をもたらす道路、などなど。これらの状況を受け、行政側の都市政策もこれまでの都市近郊や臨海部での大規模開発に代表される「外向き」政策から「内向き」すなわち中心市街地の見直しへと移行してきました。具体的には「中心市街地活性化法」や「まちなみ再生区画整理事業」といった新しい制度の誕生にその方策をみることができます。

2.まちの再生、土地、空間、コミュニティー

 まちの再生、これは土地の再生と空間の再生そしてコミュニティの再生なくしては成り得ません。どんなまち並みにするのか、どんな建物を建てるのか、そこにはどんな人たちが集まり何を求めるのか。まちの再生を考えるとき、この三者の関係を地域の特性に合わせて見極めることが重要です。土地、空間、コミュニティに関連する様々な素材、複雑に絡み合う一つ一つの要因をあらゆる角度から見渡し、全体と部分の相互関係を理解し、課題を分析し、検討し、まちの再生に一番ふさわしい方策を導き出していくことです。

 まちづくりには様々な想いが込められます。住民、行政、プランナーが、それぞれの立場からそれぞれのまちづくりを思い描くことでしょう。「まちづくり」、それは様々な想いを具現化していくということです。

3.まちづくりの担手

 住民参加によるまちづくりの時代が到来しました。本来、まちの主役は住民なのですが、これまでは自分達のまちの行く末を行政に頼っているケースが多かったようです。しかし最近では住民が計画段階から積極的に行政との対話と協調を繰り返し、またはボランティア活動(NPO)によって、自らの手でまちづくりに参加し自らの手でまちを守っていく動きが顕著になってきました。一方、行政は住民と一体となってまちづくりを推進するために、構想段階から誰もが気軽に入手できる統合・整理された情報の公開が求められることでしょう。住民と共にまちづくりを進めていくためには、分かりやすい計画素材と計画手順が用意される必要があるのです。また、現在の低迷する経済情勢の中で財政も苦しい状況です。的確な公共投資とその効果が常に問われています。夢ばかりではなく、経済性の面においても街づくりを考えていかなければならないのです。

4.まちづくりのツール

 住民や行政が想い描くまちづくりのお手伝いが我々まちづくりプランナーの仕事です。夢のあるまちの形成と住民一人一人の夢を実現するためには何が必要で何が問題なのか、刻々と変化する社会・経済情勢、市民意識の変換に的確に対応するためにはどんな方策が必要なのか、まちづくりプランナーには、マクロな視点からの傾向分析と個々の問題に対する詳細な検討を繰り返し行うことによって、全体と個々の目標が合致する力強い計画をつくることが求めらているのです。

 まちづくりに対する様々な人たちの想いを一つの形にするために、これまでは膨大なエネルギーと時間が必要とされてきました。しかし現在まちづくりには前述のような多角的な検討が必要とされ、しかも限られた時間の中で一定の方向性を出していかなければ時代に対応できなくなってきています。今、まちづくりに求められるツールとは、様々なニーズに対応し、幅広いエスキスの中で効率よく最適解を導き、バーチャル情報により分かりやすい素材と判断指標を提供できるものだといえるのではないでしょうか。

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