考察、わが国の中心市街地活性化に向けた期待
最後に、わが国の中心市街地活性化に向けた若干の考察をしてみます。もちろん、イギリスとは社会背景及び問題の所在が異なるので、手法をそのまま導入することは適切でありません。しかし、地方分権社会に向かう中で、中心市街地問題に直面するわが国のまちづくりの現場では今、「有効なストラテジーの構築」、「地域市民・企業の自発性を誘発する仕組み」、「官と民の役割の見直し」、「まちづくりにおける公と個人の関わり」、「意欲の度合が異なる人々をどう繋ぎ止めていくか」など多くの課題を抱えており、その手がかりとしてイギリスのリジェネレーションは示唆に富んでいるのではないでしょうか。そこで、今回の調査を通して考察した事項を手短かに紹介して、当レポートを終わりたいと思います。
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1 国への期待
地域の自主的な中心市街地活性化の取り組みを積極的に支援するしくみとして各種の事業手法等まちづくりにかかる情報公開をはじめとして、取り組み主体の有機的連携や調整を図るシステムの整備を期待します。このとき、わかりやすい補助・助成制度であることが必要と考えます。
2 地方自治体への期待
市町村がイニシアティブをとって、市民がまちづくりにかかわりやすい環境づくりを進めることを期待します。まず行政窓口の一本化からはじまると考えます。
さらに、市民の取り組みを促進するために、できるだけ民間資本が中心市街地に集中できるよう誘導を図るとともに、自らも率先して公益施設を設置することが必要であると考えます。
3 地元への期待
これまで行政への過度の依存や期待もあり、市民や企業は積極的なまちづくりへの参画はなかなか行われにくかったと思われます。まずは情報交換・議論の場づくりからはじめることが必要と考えます。
4 大規模商業者への期待
成算のない無秩序な郊外開発から、企業の生存基盤として中心市街地を捉えなおした企業戦略を構築することがそろそろ必要でないかと考えます。都市活動を支える一主体としてそのノウハウと資金力をまちづくり活動に活かすことを期待します。
ただ単に、郊外開発がうまくいかないから、あるいは地価が下がってきたから中心市街地に帰ってくるというのでは、かつての郊外戦争と本質的には変わらないと思います。
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