英国に見る地域生存戦略としての都市再生活動
イギリスは、産業構造の転換・車社会の到来を背景として、中心市街地の空洞化、大規模ショッピングセンター郊外開発の問題など、わが国と同様の都市問題を抱えています。同国は長い期間にわたり、行政主導の様々な事業手法によって地域活性化へ向けた打開策を探ってきましたが、中心市街地問題への決定的な対策はなかったようです。しかし、近年1980年代後半、特に90年代に入ってからは、官と民との協調をベースとするいくつかの地域主体型の都市問題解決スキームによる取組みが効果を上げています。
イギリスに定着し始めた都市の再生に向けた取組みに共通する発想は、目標とする将来のライフスタイルに向けて、その地域の持続的発展が可能となるような多様な戦略的活動を総合的に展開するものです。これらは、 リジェネレーション(*1)という言葉で総称されており、その多くは、まちづくりの主体として官民 パートナーシップ(*2)を構築して、既存ストックを最大限活かしながら、むしろリスクの低い事業を通して確実な成果を積み上げていく、周到かつ高度なマネージメントによって実践されています。その諸活動においては、「まちづくり」を地域自らの生存をかけた戦略として具体化しようとするプロセスをみることができます。
1998年2月に筆者は、関係する方々のご協力を賜り、イギリスの中心市街地再生への取り組みに関する実態調査の機会を得ました。本稿ではその調査から、2つの手法「シティ・チャレンジ」と「タウン・センター・マネージメント」について紹介させていただきます。これらのスキームはわかりやすさと徹底した合理性が特徴づけられます。訪問した各都市は、地方都市を含めて、有効な成果を挙げており、いずれも予想以上に活発でした。今後わが国で中心市街地活性化対策を講ずる上でも、有効なヒントが数多く含まれているものと考えられます。
[事業推進担当:古川靖史]
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(*1) regeneration:日本語では、再建、復興、復活、刷新、再生などを意味します。イギリスでは、都市の物理的な更新及び経済的な再建など広い分野にわたる総合的な取り組みを総称しています。
(*2) partnership:日本語では、共同、協力、組合営業などを意味します。イギリスでは厳密な定義はなく、特定の目的を実現するための組織体で、任意の集合体から会社組織まで幅広い形態があります。まちづくりに関しては「官民共同の事業推進組織」という意味になると考えられます。
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調査対象都市、組織等
イギリス ロンドン(人口700.7万人)
ノッティンガム(28.4万人)
マンチェスター(43.3万人)
ボルトン(26.5万人)
リバプール(47.1万人) 環境交通地方省(DETR)
タウンセンターマネージメント協会(ATCM)
上記の市役所及び民間関係者(一部)
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参考文献
